
- 最近よく耳にするアイフレイルってなに?
- 歳のせいか夕方になるとが目がショボショボする
- 目の寿命を伸ばせるなら伸ばして好きなことをもっと取り組みたい!
最近、よく耳にするフレーズの一つ「アイフレイル」。アイフレイルとは、加齢で衰えてきた目に、様々な外的ストレスが加わることによって目の機能が低下した状態、またはそのリスクが高い状態を指します。フレイルは、加齢による心身の衰えを表す概念で、アイフレイルは、この概念を目に特化して考えたものです。

アイフレイル(Eye Frail)は、「アイ(Eye=目)」と「フレイル(Frail=虚弱)」を組み合わせた造語です。
「みんな、ある程度は目の症状なんて抱えてるでしょ!?」と思い、病院に行かずに放置しておくと、最悪失明してしまうことも。
この記事ではアイフレイルの具体的な症状や目の健康を守るための方法を解説します。記事を読めば、日常的な目の健康予防方法を学べます。
目の健康は全身の健康や生活の質に大きく影響するため、「歳のせいだから」と放置せず早めの眼科受診などを心がけましょう。
アイフレイルの症状4つ

アイフレイルの主な症状は以下4のつです。
- 目が疲れやすくなった
- 夕方になると見にくくなることが増えた
- 光をまぶしく感じやすくなった
- 段差や階段が危ないと感じることが増えた
目が疲れやすくなった
疲れ目の原因は、水晶体と毛様体筋に変化です。
目の水晶体は、ゼリーみたいに柔らかく自由に形を変えられ、水晶体の周りにある「毛様体筋(もうようたいきん)」が水晶体の厚さを調整してくれる機能を持っています。しかし、年齢や目の酷使が続くと水晶体や毛様体が上手く機能しなくなります。

長年使ってきた水晶体は段々と硬くなり柔軟性が失われ、水晶体を調節する毛様体筋も体の筋肉と同じように加齢と共に筋力が低下。
結果、硬くなった水晶体はピント調整をするのに時間がかかり、毛様体筋の低下で水晶体の調節がスムーズにおこなえなくなり、目が疲れやすくなります。
夕方になると見にくくなることが増えた
夕方に見えにくくなる主な理由は3つ。
- 暗い場所で光を感じる力が弱まる
- 目の奥には、暗い場所で光を感じるセンサーがあります。 目の機能が弱ってくると、センサーの働きが鈍くなり暗い光に反応しにくいです。
夕方はより光が少なくなるので、センサーの衰えが見えにくさにつながります。
- コントラストを見分けるのが困難
- 明るい部分と暗い部分の「差」を見分ける力(コントラスト感度)が低下することがあります。
夕暮れ時は、全体的に薄暗くなり、物の輪郭がぼやけやすいです。コントラスト感度が低いと、輪郭がさらに見えにくくなり、結果として「見えにくい」と感じます。
- 目の疲れがたまってくる
- 太陽の光、パソコン、スマートフォンの画面など、いろいろな光を目に浴び夕方になると目も疲れてきます。 特にアイフレイルの状態だと、目の回復力も弱くなり、疲れが夕方の見えにくさと感じる人は多いです。
これらの理由が重なって、アイフレイルの方は夕方になると 見えにくさを感じやすいです。
光をまぶしく感じやすくなった
アイフレイルになると、光を通常よりまぶしく感じやすくなります。 主な原因は3つ。
1つ目は水晶体の濁り。加齢などで水晶体が濁ると、光が散乱し、まぶしさの原因となります。
2つ目はコントラスト感度の低下。明るさの差を見分ける力が弱まり、全体がぼやけて、まぶしさを感じやすくなります。
3つ目は瞳孔の調整機能の低下。瞳孔が適切に光量を調節できず、過剰な光が目に入り、まぶしさを引き起こします。
晴れた日に外に出たとき、以前よりも太陽の光をまぶしく感じる、夜間の運転中に、対向車のヘッドライトが異常にまぶしく感じるといったことがあれば、アイフレイルの可能性が高いです。
段差や階段が危ないと感じることが増えた
目の機能が弱まると段差や階段の認識が難しくなります。
目は、物の形や奥行き、周りの状況などを把握する上でとても大切です。目の機能が弱まると情報を正確に捉えることが難しくなります。
色の濃淡の差が分かりにくくなったり、立体的に物を見たり、奥行きを感じたりすることが苦手になります。また、見える範囲が狭くなることも。
結果、目の機能が低下すると、段差や階段を安全に上り下りするために必要な情報が不足し、危ないと感じるようになります。
アイフレイルを引き起こす原因5つ

主な要因は以下の以下の5つ。
- 紫外線
- ドライアイ
- 摩擦・刺激
- 喫煙
- 睡眠不足
紫外線
目は、外からの光を直接取り込むようにできているため、紫外線も入り込みやすい構造です。ある程度の紫外線防御機能は備わっていますが(例えば、角膜や水晶体で紫外線を吸収するなど)長期間にわたって紫外線を浴び続けると、防御機能が追いつかなくなり、ダメージが蓄積されてしまいます。
例えば、目の表面である角膜と結膜は、炎症を起こしやすく、繰り返す炎症は機能低下や老化を招きます。カメラのレンズの役割を持つ水晶体は、紫外線により内部のタンパク質が変性し、白内障の原因となることも。
白内障は水晶体が濁り視力低下を引き起こす病気。紫外線当たっている期間が多いほど発症が早まります。
ドライアイ
ドライアイは単なる目の乾燥だけでなく、放置すると視力低下や目の炎症などのトラブルにつながります。目の健康を維持する重要な役割がドライアイによって失われるからです。
目の表面は、涙液(一般的に涙と呼ばれるもの)によって常に滑らかに覆われ、光を正しく屈折させるような役割を果たしています。しかし、ドライアイになると涙液が不足することで、目の表面が無防備になり傷つきやすい状態になり 埃などが入りやすくわずかな摩擦でも傷つきやすくなります。
結果、目の炎症が引き起こされ、痛み、充血、ゴロゴロ感などの不快症状が現れるのです。炎症が慢性化すると、さらに目の組織にダメージが蓄積する悪循環に陥ることもあります。
摩擦・刺激
目をこする、強くまばたきをする、メイクやクレンジングでゴシゴシするなど、物理的な摩擦や刺激は、目の表面を傷つけ、炎症を引き起こすことがあります。花粉症やアレルギー性結膜炎などで目がかゆい時に、無意識に目をこすってしまうので特に注意が必要です。
痒みの症状がひどいときは専門機関の受診をし点眼薬を処方してもらいましょう。
喫煙
タバコの煙には非常に多くの有害物質が含まれています。有害物質は、体内で「酸化ストレス」と呼ばれる状態を引き起こします。酸化ストレスとは、細胞が錆びついて傷つき、老化が進んでしまう状態のこと。目の組織も例外ではなく、酸化ストレスの影響を受けやすい場所です。
さらに、喫煙は血管を収縮させ、全身の血流を悪化させます。目の奥にある網膜や視神経は、非常に細い血管から栄養や酸素を受け取っていますが、血流が悪くなると十分な栄養や酸素が届かなくなり、機能が低下してしまう可能性があります。
睡眠不足
睡眠は、日中に酷使した目を休ませ疲労を回復させるために欠かせない時間。睡眠が不足すると、目の疲労が十分に回復せず、慢性的な眼精疲労につながる可能性があります。また、睡眠不足は涙の分泌量を減少させ、ドライアイを悪化。
また、睡眠不足は自律神経のバランスを乱します。自律神経は、涙の分泌や瞳孔の大きさの調節など、目の様々な機能をコントロールしているため、自律神経のバランスが崩れると、目に様々な不調が現れる可能性があります。
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、細胞の修復や再生に重要。睡眠不足によって成長ホルモンの分泌が低下すると、目の組織の修復が遅れ結果的に老化を早めてしまう可能性があります。
簡単にできる目の休息法

20-20-20ルール
パソコンやスマホを使う時は、「20-20-20ルール」で目を休憩させましょう。このルールで、目の疲れを効果的に減らせます。
20分ごと: 作業を始めて20分経ったら、一度休憩しましょう。タイマーを使うと便利です。
20フィート(約:6メートル)先を見る: 遠くを見ることで、目のピント調節機能を休ませます。窓の外の景色などがおすすめです。
20秒間: 20秒間、ぼんやりと遠くを見つめましょう。
- 他にも、目を閉じる、首や肩を回す、蒸しタオルで目を温めるなど組み合わせると、さらに効果的です!
日常的な予防法4つ

以下の4つを生活に取り入れると目の健康を守れます。
- 明るさの工夫
- 睡眠
- 紫外線対策
- 食事の見直し
明るさの工夫
適切な明るさで過ごすと、目の疲れを減らし快適に過ごせます。読書や勉強:などは、手元が十分に明るくなるように、部屋全体の照明(シーリングライトなど)に加えて、手元を照らすデスクライトを併用しましょう。
教科書やノートがはっきり見える明るさが理想です。JIS規格では750ルクスが推奨されていますが、必要に応じて500〜1000ルクス程度に調整すると、より快適に作業できます。
睡眠
目も体と同じように休憩が必要です。こまめに休憩し、しっかり睡眠をとりましょう。理想的な理想的な睡眠時間は7〜8時間と言われています。寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見るのは避け、リラックスできる環境をつくることも大切です。
質の良い睡眠は、目の疲れを回復させるだけでなく、体全体の健康にもつながります。
昼休みなどに15〜30分程度の短い仮眠を取るのも目の疲れを和らげるのに効果的です。ただし、長く寝すぎると夜の睡眠に影響が出るので注意しましょう。
紫対策対策
日差しが強い日は、特に注意が必要です。以下の3つを使って目を保護しましょう。
- サングラス: デザインだけでなく、UVカット機能が付いているかを確認して選びましょう。色の濃さとUVカット効果は必ずしも関係ないので注意が必要です。「紫外線透過率1.0%以下」や「UV400」といった表示があるものがおすすめです。
- 帽子: つばの広い帽子をかぶると、顔や目に当たる紫外線を大幅にカットできます。ファッション性だけでなく、UVカット素材で作られた帽子を選ぶと、より効果的です。
- 日傘: 日傘も紫外線対策に有効です。UVカット加工が施されたものを選びましょう。
食事の見直し
目の健康のためには、緑黄色野菜、青魚、果物、そして牡蠣などをバランス良く食べることが大切です。ルテイン、ゼアキサンチン、DHA、EPA、アントシアニン、亜鉛、ビタミンA、C、Eといった、目の働きを助けたり、老化を防いだりする栄養素がたくさん含まれているからです。
ほうれん草やブロッコリーは有害な光から目を守り、サバやイワシはドライアイを改善し、ブルーベリーは目の疲れを和らげ、牡蠣は視細胞を守る働きがあります。
これらの食品を積極的に食事に取り入れて、目の健康を維持しましょう。
まとめ

チェックポイント
・目が疲れやすく、夕方になると見えにくくなることが増える
・光をまぶしく感じやすくなり、段差や階段が危険に感じることがある
・アイフレイルの原因には紫外線、ドライアイ、摩擦・刺激、喫煙、睡眠不足が関与
・20-20-20ルールや紫外線対策、食生活の見直しで予防が可能
アイフレイルは、目の機能が低下することで日常生活に影響を及ぼす状態です。特に加齢とともに症状が現れやすくなります。
予防のためには、適切な休息、紫外線対策、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。

20-20-20ルールを実践したり、日頃から目のケアを意識してみましょう!